月報 2018 10

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秋田伝道に見た復興の兆し(1)―「二〇三〇年問題」は乗り越えられるか―

秋田伝道に見た復興の兆し(1)
 ―「二〇三〇年問題」は乗り越えられるか―

伊 藤 信 義

 手束元老牧師先生は、日本の教会の底上げをしたいとの強い使命感を持たれています。従って、よく地方教会興しの伝道旅行に出かけられます。私は今回、九月七日から十三日までの秋田伝道旅行に、小嶋執事と共に随行させていただき、脇本教会の中西牧師先生のアレンジで、日本キリスト教団の教会ばかり十教会(秋南教会の複数会堂を含む)を訪問させていただきました。
 ニ〇三〇年問題として、教団での全国の各教会の教勢の衰退が取りざたされています。現状のままで推移すれば、ニ〇三〇年には、教会員の三分の二が平均寿命を超える。つまり、単純に言って教会員が三分の一になると予想される。日本キリスト教団という大船は沈みつつあるということです。秋田の各教会においても同様、信徒さんの高齢化が進んでいるように見受けられ、若い人、小さい子供たちの姿はほとんど見受けられませんでした。ある教会においては、牧師先生が他教会を兼牧されていたり、主任牧師がおられず、伝道師先生が牧会されている所もあり、聖日礼拝への平均出席者数は約一〇~二〇名とのことです。
 秋田桜教会で、手束先生が講師を務められ、「教会成長セミナー」が開催されました。九教会から、牧師先生、信徒の方々約四〇名ほどが参加されました。そこで、手束先生は「家族伝道」と「教会の雰囲気作りが大切」という内容で語られました。子供や夫(又は妻)に働きかけて導いていくこと。つまり信仰継承が大切ですよと。しかし、実際にこの事を実行するのは容易な事ではありません。家庭内での衝突が生じることもあるでしょう。夫婦の間も冷めてしまうかも知れません。
 高砂教会の小嶋執事が「家族伝道」の証しをされました。子育てに悩んでいる時、教会で行われている「子育てセミナー」に誘われて教会に行き始めた。そして、子供達も教会学校に連れて行き、時期を見計らって受洗をした。その後、伝道は夫へと進められ、最後には夫も救われたとのこと。当時、宗教は個人のものという考え方が強く、又、子供にも人権があるので、自主性を重んじ、自分で判断がつく年齢まで洗礼を授けるのは待つべきだとの考え方がある。しかし、放置すればサタンの誘惑に陥る可能性が大きいと手束先生は言われる。又、小嶋執事は母親に対しても、まず教会での孫の結婚式に参列してもらい、その後、教会で行われるイベントに誘う中で徐々に馴染んでもらい、やがて救いに導かれたとの証しをされました。
 受講された皆さんの中には、「家族への伝道の事は、あまり深く考えていなかった」との感想をもらしておられる人もいました。手束先生はさらに、教会は敷居が高く、待っていても人はなかなか来てくれない。こちらから出かけて行って集会を持つ、いわゆる家庭集会(セル)を行うことが有効であると。この秋田地方でも、秋南教会は家庭集会を通して発展し、各地域に会堂をいくつも建設されています。そのいくつかの会堂を訪問させていただきましたが、そこには、家庭集会ですばらしい成長を遂げた実績の見本があります。しかし、今は以前より人数が減少しているとのことです。家庭集会を開催すると同時に、セルリーダーの育成が肝要だと手束先生は説かれました。
 教会の雰囲気作りに関しても、霊的な雰囲気、明るい愛の溢れている雰囲気、互いに裁き合わない(赦し合う)、信仰的な秩序だった権威に従う、等について説かれました。特に、新来会者にとっては最初の印象が大切である。受付から着席するまでの間の応対の仕方によって、印象の良し悪しが決められるとのことでした。
 各教会の高齢化が進み、教勢が衰退していくばかりの現状において、いかにこれを食い止め、どう再生していくかが目前の大きな課題だと強く思わされます。教勢の復活は、一朝一夕に行えるものではありません。教会全体が危機意識を共有し、良き信徒リーダーが育成され、牧師先生と信徒リーダー、及び信徒たちとの一致をもって、祈り、聖霊様の助けによって地道な伝道活動を継続していくことしか、開かれる道はないのではないかと思わされます。





秋田伝道に見た復興の兆し(2)―垣間見た教団教会の現実―

秋田伝道に見た復興の兆し(2)
 ―垣間見た教団教会の現実―

小 嶋 弘 美

 九月七日(金)~九月十三日(木)、一週間の秋田伝道旅行に随行させてもらいました。昨年の教会作り共同研修会に参加された、教団脇本教会の主任牧師、中西絵津子先生が感動され、その場で申し出られた「手束先生、ぜひ秋田に来て下さい」との要請により実現したものです。
 一週間という長期の旅行でしたが、前半は教会訪問で、そこで先生や信徒の方々と個人的に交わり、教会のために祈るというスケジュールでした。移動時間がかなりあったのですが、車中でもいろんな話ができ、とても恵まれた時となりました。運転は中西先生がして下さり、感謝でした。今まで何度も伝道旅行に随行させていただきましたが、今回のように多くの教会を回らせていただいたのは初めてでした。秋田の教会の先生方に手束先生を紹介したいという中西先生の思いが、ひしひしと伝わってきました。 訪問教会は十教会にのぼり、ほとんどの教会が、礼拝出席者は十人から二十人という中で、先生方は一生懸命仕えておられました。教会で中心的な働きを担っておられるのは、高齢の方が多くて、「私は九十歳です」と言われる方が、皆さん方の前できれいな声で讃美されたり、私たちをもてなして下さったりしました。このように、年配の方がいきいきと主に仕え、教会を支えておられる姿に、私はとても感動させられました。自分もこの方たちのように、自身の限界を決めることなく、主のために仕えたいと思わされましたが、その反面、この方たちが天に召されたら、この教会はどうなるのだろう・・・と考えさせられました。このところ、日本キリスト教団では「二〇三〇年問題」が取り沙汰されています。高齢化現象が進み、教会が二〇三〇年には大きく衰退していくと言われていますが、この現実を見て、本当にそうなっていくような危機感を感じさせられました。私もそのために祈っていきたいと思います。
 今回のスケジュールの中で、メインの集会となる「教会成長セミナー」が、十一日(火)に秋田桜教会で持たれました。すてきなチラシも作られ、大々的に宣伝されていたようです。中西先生の人脈もあって、約四十二名ほどの牧師先生方や信徒の方々が参加されました。セミナーの内容は次のようなものでした。
①私たちの身近にいる家族、子供たちや孫たちへの家族伝道に力を入れること。
②教会で人がやってくるのを待つのではなく、外に出て行き、家庭集会でのセル伝道を行う。
③求道者にとって魅力的な教会となるべく、教会の雰囲気を良くするように心がけること。
これらは、私たちにとってはいつも教えられていることでしたが、参加されていた方は、セミナー終了後に、「こんなセミナーは初めてでした」と、内容がとても新鮮だったと話される様子に、私の方がとまどってしまいました。また、「そう言えば、私たちの子どもたちも、昔小さかった頃は一緒に教会に来ていて、教会学校にはたくさんの子どもたちがいたのに、洗礼を受ける者がいなかった。あの時洗礼を受けさせておけば・・・」とも言われました。信仰継承の重要性があまり語られていなかったようです。それを聞いて、私もとても残念な気持ちになりました。
 今回手束牧師先生が行かれたことによって、皆さん方に新たな目が開かれ、秋田にある教団の教会成長へとつながっていくという確かな希望を感じ取りました。特に、今回の伝道旅行を中心となってお世話下さった脇本教会にはそれを強く感じました。大きな幼稚園を運営されていて、人気があり、かなり遠方からの通園者もあるようでしたが、そこで働いておられる先生方や、教会幼稚園に子どもを通わせたいと思っておられる親御さんたちに、福音がどんどん伝えられていくことを願っています。また、地域交流の場として与えられているオレンジハウス(レストラン、ミニコンサート、卓球場等に用いられている)は、素晴らしい伝道の場となっています。来年の伝道旅行も約束されましたから、これから、どんどん教団の教会が復興していくことを願っています。私も教団のために祈り続ける者となりたいです。



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